トヨタ・カムリと聞くと、「ああ、昔よく見かけたなあ」という人や、「あれ、最近見ないな?」と思う人がいるかもしれません。実はカムリは、日本ではすでに販売終了となっています。でも最近、北米やタイを中心に新型カムリが次々登場し、「もしかして日本でも復活するのでは?」と期待が高まっているんです。今回は、カムリがなぜ日本市場から姿を消したのか、そして新型カムリが日本に戻ってくるとしたら、どんなモデルになるのかをわかりやすく解説します。
日本撤退の背景、過去の実績、ポジショニング
カムリはなぜ販売されなくなったのか?
カムリはかつてトヨタのミドルクラスセダンとして人気がありましたが、日本では2023年末をもってカタログ落ちしました。その主な理由は、セダン人気の低下です。近年、日本ではSUVやミニバンの人気が圧倒的で、セダンはだんだんと「おじさんの車」というイメージが強くなってしまいました。
さらに若い人たちは車にあまりお金をかけなくなり、コンパクトカーや軽自動車に流れる傾向があります。こうした市場の変化の中で、カムリの販売台数は徐々に落ち込み、やむなく販売終了という道を選んだわけです。ちなみに、販売実績は以下の通りです。
年度 | 販売台数(約) |
---|---|
2000年代初め | 6万台 |
2010年 | 2万台 |
2015年 | 1万2千台 |
2020年 | 8千台 |
2023年 | 6千台 |
このようにピーク時から徐々に減少し、最終的に販売終了となりました。
カムリの日本販売は中止されたのですか?

はい、正式にトヨタから2023年末で国内販売終了が発表されました。ただし、完全な終わりではありません。北米やタイなどの市場では今も元気に販売されており、今後の日本再投入の可能性も十分あります。つまり、いったんお休み状態というわけです。
さらに言うと、トヨタとしても国内市場のセダン需要が復活する兆しが見えれば、カムリのようなモデルを復活させる余地があると考えているようです。また、トヨタファンや過去のカムリオーナーからは復活を望む声が多く寄せられており、メーカー側もそうした声を無視しているわけではありません。実際、右ハンドルのタイ仕様の存在は、日本市場への逆輸入的な流れを後押しする可能性があります。
カムリはアメリカで人気があるそうですが、なぜでしょうか?
実はカムリは、アメリカで長年ミドルクラスセダンのベストセラーの地位を保っています。その理由は、耐久性・燃費の良さ・広い室内空間・手頃な価格と、ファミリーカーに求められる要素をしっかり満たしているからです。さらに、アメリカの広い道路事情や高速道路中心のライフスタイルにぴったりマッチしており、長距離ドライブにも向いています。
ディーラーのネットワークが広く、メンテナンスのしやすさも強みです。また、アメリカのユーザーはブランドイメージを非常に重視する傾向があり、トヨタという信頼性の高いブランドが支持を集めています。日本ではSUVがファミリーカーの主役になりましたが、アメリカではまだまだセダンの人気が根強いんですね。

カムリのライバル車は何ですか?

日本では、ホンダのアコード、日産のスカイライン、スバルのレガシィなどがライバルでした。特にアコードはハイブリッド仕様で燃費が良く、カムリとよく比較されました。また、スカイラインはスポーティさで評価され、レガシィは実用性と走行性能で人気を集めてきました。
最近はクラウンがSUV化したため、伝統的なセダン枠は少なくなり、カムリの復活を期待する声が高まっています。さらに、国内ではマツダ6などもライバルとして挙げられることがあり、これらの車種とカムリの違いや個性が比較されることで、より深い議論が生まれています。
カムリの人気グレードは?
日本ではGグレードやWS(ワールドスポーツ)グレードが人気でした。特にWSはスポーティな見た目と走りで、若い人や走り好きの人に好まれていました。また、Gグレードは落ち着いたデザインと快適性があり、幅広い年齢層から選ばれていました。
アメリカではLE、XLE、XSEといったグレードが人気で、SEやXSEはスポーティ派、XLEはラグジュアリー派に支持されています。
アメリカではTRDという特別なスポーツグレードも用意され、専用サスペンションやエアロパーツ、スポーツマフラーを装備しており、走りを楽しみたい層に強くアピールしています。これに対して、日本市場ではこうした尖った仕様は導入されなかったため、逆に新型では海外仕様のスポーティさが注目を集める可能性があります。
カムリはどんな人が乗る車ですか?
かつての日本では、40~60代の男性ユーザーが多かったですが、近年は営業車や役員車としても使われていました。特に法人需要では、静かで上質な乗り心地が評価され、役員車やハイヤーとしての採用も増えていました。北米では家族連れや若い夫婦、シニア世代まで幅広い層に愛されています。さらに、若い世代が初めてのセダンとして選ぶケースも多く、世代を超えて支持されています。つまり「みんなのセダン」なんですね。
タイ仕様の魅力、予想される日本仕様

新型カムリの日本発売日はいつですか?
新型カムリは2023年末に北米でデビューし、タイでは2024年に登場予定です。日本市場では2025年ごろの投入が予想されると話題になりますが、現時点では日本への再導入の見込みはありません。ただし、右ハンドルのタイ仕様は日本向けに調整しやすく、もし導入されるとしたらその最有力候補になると見られています。
タイ仕様は日本の道路事情やユーザーの好みにもマッチしやすく、燃費性能や高級装備が日本の消費者にも受け入れられる可能性があります。しかし、トヨタ側からは具体的な導入計画や検討状況の公式コメントは出ておらず、現状ではあくまでファンや市場関係者の間での予測や期待にとどまっている状況です。
カムリは高級車ですか?

タイ仕様を見ると、確かに高級車らしい装備が目立ちます。パノラマルーフ、後席電動サンシェード、JBLプレミアムオーディオなど、日本ではクラウンやアルファードにしかないような装備が揃っています。また、シートヒーターやベンチレーション、電動調整式のシート、ワイヤレス充電といった細やかな快適装備も充実しており、後席の居住性や静粛性にも力が入れられています。
ただし、価格帯は高級セダンというより「高級感のある実用車」といったところです。こうしたバランスの良さは日本市場でも魅力的に映る可能性があります。日本に入る場合も、手の届きやすい高級感が売りになるでしょうし、法人需要や上質さを求める個人ユーザーにも訴求できそうです。
カムリの燃費は?
タイ仕様のハイブリッドはリッター20km前後という優秀な燃費性能です。日本仕様になれば、さらに燃費チューニングが施され、WLTCモードで20~23km/L程度が期待されます。燃費の良さは日本のユーザーにとって大きな魅力です。
ハイブリッドならではの静粛性や、エコドライブモードによる低燃費走行のしやすさも日本の都市部や郊外のユーザーにとっては強力な魅力となります。さらに、長距離ドライブでは燃料代を抑えられることで、旅行や帰省の際にも安心感があります。こうした総合的な低燃費性能は、環境意識の高い日本市場でも歓迎されるポイントとなるでしょう。
新型カムリの馬力は?

タイ仕様では、ガソリンモデルが209馬力、ハイブリッドモデルがシステム出力211馬力です。北米仕様ではハイブリッドのAWDモデルが232馬力と、さらにパワフル。日本では、ハイブリッド専用・FF(前輪駆動)仕様が主力になると予想されますが、将来的にはAWDモデルも導入されるかもしれません。
タイ仕様は静粛性や燃費性能に優れ、日常使いはもちろん長距離移動でも快適な走りが期待できます。北米仕様と比べると、パワー面では若干控えめですが、街中走行や高速道路での余裕は十分確保されており、家族向けやビジネスシーンでも満足度が高い仕様と言えます。さらに、エンジンのレスポンスや乗り心地は市場ごとに微調整され、日本市場向けでは快適性重視のチューニングが施される可能性もあります。
カムリのアメリカと日本の違いは何ですか?
アメリカ仕様は大排気量のV6やAWDモデルが用意され、パワフルで直線番長な性格です。一方、日本やタイでは2.5Lハイブリッドが中心で、静かで快適、燃費重視。装備面では北米がスポーティさ重視、タイはラグジュアリー重視といった住み分けがあります。
アメリカ仕様は内装でも本革シートや大型ディスプレイ、運転支援システムの最新バージョンを搭載し、ドライバーが楽しめる仕様が多いです。日本やタイでは、後席の快適性や静粛性、燃費の良さが特に重視され、家族やビジネスユースにも適している点が特徴です。また、足回りのセッティングやサスペンションのチューニングも市場ごとに異なり、アメリカでは固めのセッティングで走行安定性を重視し、日本・タイではソフトな乗り心地が好まれます。
トヨタカムリ2025の価格は?

北米では約3万ドル(約450万円)、タイでは約160万バーツ(約650万円)から。日本導入時は450~600万円程度と予想されます。これはクラウンの下位グレードやレクサスESの下を狙う価格帯です。つまり、ちょっと背伸びすれば手が届くプレミアムカーというポジションになります。
この価格帯は日本の市場では法人需要や役員車需要にも適しており、個人ユーザーだけでなく法人顧客にも魅力的に映る可能性があります。さらに、グレード展開やオプション装備によっては価格の幅が広がることも考えられ、輸入コストや為替の影響次第ではもう少し高額になる可能性もあります。こうした価格設定は、ライバル車種との競争の中で重要な要素となりそうです。
まとめ
カムリは日本で一時販売を終了しましたが、海外では今も人気を維持しています。特にタイ仕様は右ハンドルで高級装備が充実しており、日本市場に再投入しやすいモデルです。ただし、現時点ではトヨタから公式な再導入の発表はなく、あくまで期待や憶測にとどまっています。燃費の良さ、広い室内、手頃な高級感という魅力を持つカムリは、日本で再び受け入れられる可能性がありますが、導入されるとしたらの話です。
セダン需要が復活する兆しが見えたり、法人需要が高まったりすれば、トヨタも再導入を真剣に検討するかもしれません。現実には、SUVやミニバンが主流の日本市場においてセダンが再び存在感を示すのは簡単ではなく、慎重な市場調査が求められるでしょう。
日本独自の安全基準や環境基準をクリアするための仕様調整も必要で、そのコストや需要見込みをどう評価するかが鍵になります。2025年の新型投入に期待しながら、これからの動向を見守りましょう。カムリが再び日本の道を走る日が訪れるかはまだわかりませんが、そう遠くないかもしれないという希望は持っていたいですね。
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