レクサスNXはその高級感や走行性能から、多くのユーザーに支持されています。洗練されたデザイン、最新のテクノロジー、そして快適なドライビングエクスペリエンスが魅力ですが、実際に購入してみると、いくつかの不満点を感じることもあります。
本記事では、レクサスNXを購入した後に感じる可能性のある不満点を5つ取り上げ、それぞれについて詳しく解説します。これには、価格の割高感や内装の質感、ブレーキタッチの違和感、視界の確保の難しさ、e-ラッチドアハンドルの使いづらさといった要素が含まれます。
レクサスNXの最新改良点を理解し、不満点と改善点の両方を踏まえたうえで、購入を検討する際の参考にしてください。
レクサスNX購入に後悔は少ないが、、
価格や維持費の割高感
レクサスNXは高級SUVとしてのブランド価値があるため、他の同クラスのSUVと比較すると価格が高めに設定されています。例えば、NX250のベースモデルは約485万円からとなっており、競合車種であるトヨタ・ハリアー(約340万円~)と比べると大幅に高価です。同クラスの輸入車であるメルセデス・ベンツGLCやBMW X3とも比較されることが多いですが、それらの車種と同等の価格帯であることから、レクサスブランドの信頼性やアフターサービスの充実度を考慮すると妥当な価格と捉えることもできます。
維持費もそれなりにかかります。燃費はハイブリッドモデルであっても街乗りでは12~14km/L程度であり、ガソリン価格の高騰が続く中で維持費の負担が大きく感じられる場合もあります。特に長距離を頻繁に走行する場合、燃費の影響が大きくなるため、他の燃費性能が高い車種と比較して慎重に選ぶ必要があります。レクサスは高級ブランドであるため、定期点検やオイル交換、ブレーキパッドの交換などのメンテナンス費用が高めに設定されており、タイヤ交換についてもランフラットタイヤを選択する場合は通常のタイヤよりも交換費用がかさみます。そのため、購入前に維持費を試算し、ランニングコストも考慮したうえで選択することが重要です。
内装の質感
レクサスはプレミアムブランドとして高級感のあるインテリアが特徴ですが、NXの内装に関しては「価格の割には質感が物足りない」との声もあります。特に、インパネやセンターコンソール周りにプラスチック素材が多く使われていることが不満点として挙げられています。一部のオーナーは、パネルの質感が他の高級SUVと比較してやや安っぽく感じられると指摘しており、ドアトリムやダッシュボードの素材が硬質プラスチックである点に不満を抱いています。
一部のユーザーは「ライバルのメルセデス・ベンツGLCやBMW X3と比較すると、豪華さに欠ける」と感じているようです。例えば、GLCやX3では本革仕上げや加飾パネルなどのオプションが豊富に用意されているのに対し、NXではその選択肢が限られています。このため、高級感を求める方にとっては、実際に試乗して素材や質感を確かめることが重要になります。

加えて、レクサスNXのインフォテインメントシステムに関しても、一部のユーザーから「タッチパネルの操作性がやや劣る」との意見があります。特に、走行中の操作ではスクリーンの応答速度や直感的なインターフェースの使い勝手が競合車と比較してやや劣るとの指摘があります。しかし、最新のアップデートによりソフトウェアの最適化が進められ、操作のレスポンスが改善されつつあります。
NXのシートについても意見が分かれます。シート自体のクッション性やホールド感は優れているものの、長時間のドライブでは若干硬めに感じることがあるとの声もあります。特に後部座席のリクライニング角度が制限されているため、長距離移動の際にもう少し快適性が向上すればさらに魅力的なモデルになるでしょう。
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ブレーキタッチの不自然さ

レクサスNXのハイブリッドモデル(NX350hやNX450h+)では、回生ブレーキの影響でブレーキフィールがやや独特です。特に低速域では「カックンブレーキ」になりやすく、スムーズな減速が難しいと感じるユーザーもいます。高速域ではブレーキペダルの踏み込みに対する反応が一定ではなく、減速時の感覚に違和感を覚えることもあります。
この違和感は、回生ブレーキと通常の油圧ブレーキの切り替えが影響しているため、特に他の車種から乗り換えたばかりの方は慣れるまで時間がかかるかもしれません。加えて、回生ブレーキはバッテリーの充電状況によって効き具合が変わることがあり、これがさらに操作感を不安定に感じさせる要因となることがあります。
一部のユーザーは、これを補うためにブレーキ操作の際にアクセルオフのタイミングを調整することでスムーズな減速を試みています。しかし、従来のエンジン車とは異なるフィーリングに適応するには、ある程度の練習と慣れが必要です。2024年モデルではこの点を改善するために、ブレーキ制御のソフトウェア調整が施され、よりリニアなフィーリングへと改良されています。
視界の悪さ

レクサスNXのデザインは流線型でスタイリッシュな一方で、後方視界が狭く感じられるという意見があります。特にCピラー(後部の柱)が太めで、斜め後方の視界が悪いという指摘があります。サイドウィンドウの形状が後部に向かって絞り込まれているため、視界の確保が難しいと感じることがあります。
リアウィンドウが小さめなため、駐車時や車線変更時に後方確認がしにくいと感じるユーザーも多いようです。バックモニターやパーキングアシスト機能は搭載されていますが、完全に視界の問題を解決するわけではありません。特に狭い駐車場や複雑な交差点での運転時には、後方確認に神経を使うことが求められます。
夜間や雨天時には後方の視界がさらに悪化し、特にバック時の安全確認が困難になる場合があります。オーナーの中には追加のカメラや補助ミラーを装着することで対策を講じるケースもあります。2024年モデルではリアガラスの面積がわずかに拡大され、後方の視界が多少改善されるという変更が施されています。
e-ラッチ ドアハンドルが使いづらい

レクサスNXには「e-ラッチ」と呼ばれる電子制御ドアハンドルが採用されています。従来の物理的なドアハンドルではなく、ボタンを押すことで開く仕組みになっています。デザインの一体感が向上し、空力性能にも寄与しています。ドアが閉まる際には自動でロックがかかるため、安全性の向上にも貢献しています。
この機能に慣れていないと「開けるのに戸惑う」「停電時にどうなるのか不安」といった意見が見られます。特に、従来のハンドル操作に慣れている人にとっては、直感的に使いづらいと感じる可能性があります。冬場の手袋着用時や荷物を持ったままの操作時に、ボタンが押しにくいと感じることもあるようです。
緊急時にドアを開けるための物理的なレバーが用意されているものの、その存在や操作方法が分かりにくいという指摘もあります。購入時にはディーラーで操作方法をしっかり確認し、いざというときに備えておくことが推奨されます。
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レクサスNXの後悔を上回る進化
2024年モデルでは、これらの不満点を解消するためにいくつかの改良が施されました。ここでは、その進化したポイントを紹介します。
ボディ剛性と足回りの強化

2024年モデルでは、リアボディに補強ブレースを追加し、車体の剛性を向上させました。これにより、走行安定性が向上し、特に高速走行時の安定感が増しています。車両全体のねじれ剛性が高まったことで、ハンドリングの応答性が向上し、よりダイレクトな運転感覚を得られるようになっています。
サスペンションのチューニングも改善され、乗り心地がより快適になりました。特にF SPORTグレードでは、電子制御ダンパーのファインチューニングが施され、よりしなやかで安定した走行が可能となっています。スポーティな走りを求めるドライバーでも、日常使いでの快適性を損なうことなく運転を楽しめるようになりました。
新たに採用されたアダプティブバリアブルサスペンション(AVS)システムは、路面状況や走行モードに応じてダンパーの減衰力を最適化し、操縦安定性と快適性を両立させています。ワインディングロードでの鋭いコーナリング性能と、都市部での滑らかな乗り心地を両立することが可能になっています。
ランフラットタイヤとノーマルタイヤの選択肢が追加されたことで、より幅広いドライビングスタイルに対応できるようになりました。ランフラットタイヤはパンク時の安全性を確保しつつ剛性感のあるしっかりとした走りを実現し、ノーマルタイヤはよりマイルドでしなやかな乗り心地を提供します。ユーザーの好みに応じたカスタマイズが可能になり、長距離ドライブ時の快適性が向上しています。
ランフラットかノーマルタイヤが選択可能

これまでのモデルでは、20インチホイールを選択すると強制的にランフラットタイヤが装備されていましたが、2024年モデルからは20インチでもノーマルタイヤを選択できるようになりました。乗り心地を重視するユーザーにとって選択肢が広がりました。
サスペンションのチューニングと相まって、ランフラットタイヤの堅めの乗り心地と、ノーマルタイヤのマイルドな乗り心地を選べるようになった点も大きなメリットです。ランフラットタイヤはパンク時の安全性や剛性感を確保する一方で、多少の硬さが感じられる傾向にあります。しかし、ノーマルタイヤを選択すれば、よりしなやかで快適な走行が可能となり、特に長距離ドライブでの疲労軽減に寄与します。
ノーマルタイヤを選択することで、より細かい路面の凹凸を吸収し、乗り心地が向上するだけでなく、車内の静粛性も高まるため、リラックスしたドライブが可能になります。一方で、ランフラットタイヤは長期間の使用においても耐久性があり、パンク時の安全性を確保できるというメリットがあり、どちらを選択するかはユーザーの用途や好みによって異なります。
NXのサスペンションには新たにアダプティブバリアブルサスペンション(AVS)が採用され、タイヤの種類に応じてより最適な乗り心地を提供することが可能になりました。AVSは走行状況やドライビングモードに応じて減衰力を調整し、スポーティな走りと快適性を両立させることができます。長距離ドライブ時には滑らかな乗り心地を確保しつつ、ワインディングロードでは俊敏なハンドリングを楽しむことができます。
この選択肢により、NXのドライビングエクスペリエンスはより多様なニーズに対応できるものとなりました。自身の運転スタイルに合わせた最適な設定を選ぶことで、NXのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能になりました。
エンジンノイズの低減
エンジンマウントの改良により、アイドリング時や走行中のエンジン音が低減されました。特に、高速道路での静粛性が向上し、より快適なドライブが可能になりました。ボディ剛性の強化により、振動やロードノイズの侵入が抑えられ、長距離走行時の快適性が向上しています。
レクサスNXには、クラウンスポーツには採用されていないフロントドアガラスの遮音ガラスが標準装備されており、これが車内の静粛性を一段と高めています。遮音ガラスは外部の騒音を効果的に低減し、特に都市部の渋滞や高速道路での風切り音を抑えるのに寄与します。この装備により、より静かで落ち着いたキャビン空間が実現されており、快適性においてNXが優れた選択肢であることを示しています。
新グレード「OVERTRAIL」

アウトドア志向の「OVERTRAIL」グレードが新設され、専用のオールテレインタイヤや15mm高い車高を採用。これにより、悪路走破性が向上し、オフロード走行時の安定感が強化されました。
専用のデザインが施されたフロントグリルやブラックアウトされたエクステリアパーツが、よりタフな印象を与えています。内装には専用のシート素材やステッチが採用され、ラフな使用環境でも快適に過ごせる設計が施されています。特別仕様の走行モードが搭載され、岩場やぬかるみといったさまざまな地形に対応できるようになっています。
「OVERTRAIL」は、アウトドア志向のユーザーに向けた特別仕様として、都市部の快適な走行性能とオフロードでの走破性を両立させた魅力的な選択肢となっています。
インテリア・エクステリアのカラー刷新

新色「ソニックカッパー」の追加や、内装色「ソリスホワイト」「ヘーゼル」の採用により、より個性的なカラーリングを楽しめるようになりました。特に「ヘーゼル」は、従来のF SPORTのソリッドな印象を一新し、高級感を増した仕上がりとなっています。落ち着いたブラウン系のトーンが加わることで、スポーティなデザインとエレガントな雰囲気を両立し、上質な空間を演出します。
「ヘーゼル」内装は質感にもこだわりが感じられます。シートには細かいステッチが施され、柔らかい手触りの本革が採用されることで、視覚的にも触感的にも上質さを感じられます。また、インパネやドアトリムにもこのカラーが反映されており、統一感のあるデザインが魅力です。
F SPORTの持つダイナミックな印象に加え、より洗練された高級感が融合されました。従来のスポーツ志向のNXとは異なり、プレミアムSUVとしての風格を持つ仕上がりになっているため、幅広い層にとって魅力的な選択肢となっています。
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安全・快適装備の充実
USB Type-Cポートの追加やリアドアハンドルの照明設置など、細かい部分の使い勝手も向上しました。また、最新のLexus Safety System+が採用され、安全性もさらに強化されています。
Lexus Safety System+は、レクサスが誇る最先端の運転支援技術を備えた安全システムであり、衝突回避やドライバーの負担軽減に大きく貢献します。プリクラッシュセーフティ(PCS)では、前方の車両や歩行者、自転車を検知し、必要に応じて自動ブレーキを作動させることで衝突のリスクを軽減します。レーンディパーチャーアラート(LDA)とレーンキーピングアシスト(LKA)は、車線を逸脱しそうになった際にステアリングを自動補正し、ドライバーをサポートします。
ダイナミックレーダークルーズコントロール(DRCC)は、先行車との車間距離を適切に維持しながら自動で加減速を行うため、長距離運転時の疲労軽減に役立ちます。新たに追加されたプロアクティブドライビングアシスト(PDA)では、カーブや交差点などの状況に応じて制御が行われ、より自然で快適な運転を実現します。
Lexus Safety System+は、事故のリスクを最小限に抑えつつ、ドライバーのストレスを軽減するために設計されており、NXの魅力をさらに高める重要な要素となっています。
レクサスNXは後悔の少ない高級車
これらの改良により、2024年のレクサスNXは従来の不満点を解消し、より魅力的なモデルへと進化しました。剛性強化やサスペンションの調整により、走行性能と快適性が向上し、都市部から長距離ドライブまで快適に楽しめます。
また、エンジンマウントの改良による静粛性の向上や、フロントドア遮音ガラスの採用により、クラウンスポーツなどの競合車にはない高い快適性を実現しました。これにより、移動中の疲労が軽減され、落ち着いた車内空間を提供します。
さらに、インテリアでは「ヘーゼル」カラーの導入により、スポーティでありながら高級感のある仕上がりとなり、特にF SPORTグレードの魅力が増しています。加えて、「OVERTRAIL」グレードの追加により、オフロード性能も強化され、多様なライフスタイルに対応可能です。
なお、レクサス認定中古車(CPO)では数十台の現行モデル在庫が確認できます。購入を検討されている方は、ぜひ試乗してその変化を体感し、NXの魅力を存分に味わってください。
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